こんにちは!プロ家庭教師の山田智也です。
僕は、指導経験が特に豊富なプロ家庭教師 芦屋エリアを中心に活動しており、これまで10年以上、300人以上の生徒さんたちと向き合ってきました。
もし、よりパーソナルな指導に興味がある方は、プロ家庭教師として芦屋で個別指導を行う私の知人の公式サイトもご覧ください。
山本先生という、信頼のできる先生ですよ。
多くの生徒が共通して抱える悩みが「ノートの取り方」です。
「先生の板書を一生懸命写しているのに、テスト前になると内容が全く頭に入っていない…」
「ノートはカラフルで綺麗なのに、成績が上がらない…」
こんな経験、君にもありませんか?
実はそれ、ノートを取ることで満足してしまい、肝心の「考える」という作業が止まってしまう「思考停止」の状態に陥っているサインかもしれません。
ノートは本来、勉強を助けるための最強の武器になるはずです。
しかし、使い方を間違えると、ただ時間を浪費するだけの「作業」になってしまいます。
この記事では、僕がたくさんの生徒たちの成績をV字回復させてきた経験から導き出した、「思考停止」を防ぎ、学ぶ楽しさを引き出すための「最強のノート術」を伝授します。
保護者の皆さんも、お子さんへの声かけのヒントになるはずですので、ぜひ一緒に読んでみてくださいね。
目次
なぜ、ノートを取ると「思考停止」に陥りやすいのか?
そもそも、なぜノートを取るという行為が「思考停止」につながってしまうのでしょうか。
その原因は、大きく分けて3つあります。
まずは、自分がどれに当てはまるかチェックしてみましょう。
理由1:「きれいに書くこと」が目的になってしまうから
「ノートはきれいにまとめなさい」と、一度は言われたことがあるかもしれませんね。
もちろん、後から見返しやすいように整理することは大切です。
しかし、きれいに書くこと自体が目的になってしまうと、思考は停止してしまいます。
例えば、色ペンを何色も使ってカラフルにしたり、定規で丁寧に線を引いたりすることに集中しすぎて、先生が話している本当に大切なポイントを聞き逃してしまった…なんてことはありませんか?
ノート作りは、美術の作品作りではありません。
大切なのは、授業の内容を「理解」し、後で「思い出せる」ように記録することです。
完璧なノートを目指すあまり、本来の目的を見失ってしまうのが、思考停止への第一歩なのです。
理由2:先生の言葉をそのまま写す「受け身」の作業になるから
先生が黒板に書いたことを、一言一句そのままノートに写す。
これも、思考停止に陥りやすい典型的なパターンです。
この作業は、一見すると真面目に勉強しているように見えますが、実際には頭を使わない「受け身」の作業になってしまっています。
ただ黒板の文字を書き写しているだけでは、その情報がどんな意味を持つのか、何が重要なのかを自分の頭で考えるプロセスがすっぽり抜け落ちてしまうのです。
授業の目的は、板書を完璧にコピーすることではなく、内容を理解することです。
先生の話に耳を傾け、「なぜそうなるんだろう?」「これはつまり、どういうことだろう?」と自分の頭で考えながらノートを取ることが、本当の意味での「学習」と言えます。
理由3:情報が整理されず、後で見返しても頭に入らないから
授業中に急いで書いたノートは、情報がバラバラに書かれていて、後から見返したときに「これ、何のことだっけ?」となってしまうことがよくあります。
ただ時系列に情報を書き連ねただけのノートは、情報の羅列にすぎません。
それぞれの情報がどう関連しているのか、何が一番のポイントなのかが分からないため、復習しようとしても、ただ文字を目で追うだけで終わってしまいがちです。
これでは、せっかく時間をかけて取ったノートも、ただの紙の束になってしまいます。
ノートは、未来の自分が復習しやすいように、情報を整理・整頓するためのツールです。
その視点が抜けていると、効果的な復習ができず、結果として学習内容が定着しないのです。
思考停止を防ぐ!最強のノート術「3つのルール」
では、どうすれば「思考停止」を防ぎ、ノートを最強の学習ツールに変えることができるのでしょうか。
僕が指導の中で必ず伝えている、たった3つのシンプルなルールを紹介します。
このルールを意識するだけで、君のノートは劇的に変わるはずです。
ルール1:「書く目的」を意識する 〜自分だけの作戦基地を作る〜
まず一番大切なのは、「何のためにノートを取るのか?」という目的をはっきりさせることです。
目的が曖昧なままでは、ただ手を動かすだけの作業になってしまいます。
ノートの目的は、大きく分けて2つあります。
- 授業内容を理解するための「授業ノート」
- テスト前に復習するための「復習ノート」
この2つをごちゃ混ぜにしてはいけません。
授業ノートの目的
授業ノートの目的は、授業の流れを理解し、先生の話の要点や、自分が「なるほど!」と思ったこと、「あれ?」と疑問に感じたことを記録することです。
ここでは、きれいさよりもスピードが重要。
先生の話に集中し、キーワードや自分の考えをどんどんメモしていく「思考のログ」のようなイメージです。
【授業ノートのポイント】
- 日付とテーマを必ず書く: いつ、何について学んだのかを明確にする。
- 余白をたっぷりとる: 後から気づいたことや調べたことを書き足せるスペースを確保する。
- 記号や略語を活用する: 自分なりのルールを決めて、書くスピードを上げる。(例:重要→☆、疑問→?、テストに出そう→T)
復習ノートの目的
一方、復習ノートの目的は、テストで点が取れるように、知識を整理し、記憶に定着させることです。
授業ノートや問題集の中から、「自分が間違えやすい問題」や「なかなか覚えられない重要事項」だけを抜き出して、自分専用の問題集や参考書を作るイメージです。
このノートは、時間をかけて丁寧に作ってOK。
ただし、すべてをまとめる必要はありません。
本当に自分に必要な情報だけを厳選することが、効率的な学習につながります。
このように、ノートの目的を使い分けることで、「今、自分は何をすべきか」が明確になり、思考停止を防ぐことができるのです。
ルール2:「自分の言葉」で書き換える 〜最強の参考書を育てる〜
思考停止を防ぐための2つ目のルールは、情報を「自分の言葉」で書き換えることです。
教科書や先生の言葉をそのまま写すのではなく、一度自分の頭で理解し、自分なりの表現でノートに記録するのです。
なぜなら、自分の言葉で説明しようとすると、自然と「これはどういう意味だろう?」「何がポイントかな?」と考えるからです。
この「考える」プロセスこそが、記憶を定着させ、深い理解につながります。
具体的な書き換えのコツ
- 要約する: 「つまり、〇〇ということだ」と、長い文章を短い言葉でまとめてみる。
- 図やイラストにする: 文章で理解しにくい関係性や流れは、図やイラストで表現してみる。 視覚的に捉えることで、記憶に残りやすくなります。
- 具体例を挙げる: 「例えば、〜みたいなことだ」と、自分の身近な出来事に置き換えてみる。
- 心の声をメモする: 「なるほど!」「ここが分かりにくい…」「先生が強調していたな」など、授業中に感じたことをそのまま書き留める。
このように、ノートに「自分」を登場させることで、ノートは単なる記録ではなく、君自身の思考のプロセスが詰まった「最強の参考書」へと育っていきます。
後から見返したときも、授業の臨場感やその時の自分の感情が蘇り、記憶を呼び覚ます手助けをしてくれるでしょう。
ルール3:「見返す習慣」を身につける 〜ノートに命を吹き込む〜
どんなに素晴らしいノートを作っても、それを見返さなければ意味がありません。
ノートは、作る過程だけでなく、作った後に「見返す」ことで初めてその価値を発揮します。
多くの生徒が、ノートを取るだけで満足してしまい、復習をおろそかにしがちです。
これでは、せっかくの努力が水の泡。
思考停止を防ぐ最後のルールは、ノートを「見返す習慣」を身につけることです。
いつ、どうやって見返すか?
見返すタイミングは、記憶が新しいうちが効果的です。
ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスの「忘却曲線」によると、人の記憶は1日後には約74%も忘れてしまうと言われています。
だからこそ、忘れる前に見返すことが重要なのです。
【おすすめの見返しタイミング】
- その日の夜(5分): 授業で取ったノートをざっと見返し、疑問点や重要ポイントを再確認する。分からなかったことは、教科書で軽く調べて追記しておく。
- 週末(15分): 1週間分のノートを見返し、内容を思い出す。復習ノートにまとめるべき項目をピックアップする。
- テスト前: 授業ノートと復習ノートを徹底的に活用し、知識の漏れがないか最終チェックする。
ノートを見返すことは、過去の自分との対話です。
「この時、こんなことで悩んでいたんだな」「ここはもう完璧に理解できたな」と、自分の成長を実感することもできます。
定期的に見返すことで、ノートはただの記録から、君の学びの軌跡が刻まれた「生きた知識」へと変わるのです。
【実践編】明日から使える!思考を止めないノート術 具体例3選
「3つのルールは分かったけど、具体的にどうやってノートを取ればいいの?」
そんな君のために、明日からすぐに実践できる具体的なノート術を3つ紹介します。
どれも思考を活性化させるのに非常に効果的な方法です。
自分に合いそうなものから試してみてくださいね。
具体例1:コーネル式ノート術 〜情報を整理し、要点をつかむ〜
コーネル式ノート術は、アメリカの名門コーネル大学で開発された、非常に効率的なノートの取り方です。
ノートのページを3つの領域に分割して使うのが特徴で、情報を整理しながら、要点を自然とつかめるようになります。
コーネル式ノートの作り方と使い方
- ページの分割:
ノートのページに、縦と横に1本ずつ線を引き、下の画像のように「ノートエリア」「キーワードエリア」「サマリーエリア」の3つに分けます。
| (タイトル・日付) |
|---|
| キーワードエリア (左側・幅は狭め) |
| サマリーエリア (ページ下部) |
- ノートエリア(板書・メモ):
授業中は、この一番広い「ノートエリア」を使います。先生の板書や話した内容、自分が考えたことなどを、いつも通り書き込んでいきましょう。 - キーワードエリア(問い・手がかり):
授業後、なるべく早いうちに「ノートエリア」に書いた内容を見返します。そして、その内容を思い出すための「キーワード」や「問い」を左側の「キーワードエリア」に書き出します。
例えば、「ノートエリア」に「徳川家康が江戸幕府を開いた」と書いてあれば、「キーワードエリア」には「江戸幕府を開いたのは誰?」といった質問を書くイメージです。 - サマリーエリア(要約):
最後に、ページ下部の「サマリーエリア」に、そのページ全体の内容を2〜3行で要約して書きます。
「このページで一番大切なことは何か?」を自分の言葉でまとめることで、理解がぐっと深まります。
このノート術のすごいところは、復習がとてもしやすい点です。
復習する時は、まず右側の「ノートエリア」を隠し、「キーワードエリア」の問いだけを見て答えられるかチェックします。
これができれば、内容はしっかり頭に入っている証拠。
この「自分でテストする」という行為が、記憶の定着を強力にサポートしてくれるのです。
具体例2:マインドマップ 〜知識をつなげ、発想を広げる〜
歴史の年号や英単語など、覚えることが多くてうんざり…そんな君には「マインドマップ」がおすすめです。
マインドマップは、中心となるテーマから、関連する言葉やイメージを放射状に広げていく思考整理術です。
文字を羅列するのではなく、情報同士の「つながり」を可視化することで、脳が記憶しやすくなります。
マインドマップの作り方
- 中心にテーマを書く:
ノートを横向きに置き、真ん中にその日の学習テーマ(例:「鎌倉時代」)を文字や絵で書きます。 - 枝を伸ばしてキーワードを書く:
中心のテーマから、木の枝のように線を伸ばし、関連する重要なキーワード(例:「源頼朝」「御家人」「承久の乱」など)を書き出します。 - さらに枝分かれさせる:
それぞれのキーワードから、さらに細い枝を伸ばし、関連する情報や思いついたことをどんどん書き足していきます。(例:「源頼朝」→「いい国作ろう鎌倉幕府」「征夷大将軍」など) - 色やイラストを活用する:
カテゴリーごとに色分けしたり、簡単なイラストを加えたりすると、さらに楽しく、記憶に残りやすくなります。
マインドマップは、頭の中にある知識を一枚の絵として整理できるのが魅力です。
全体像をパッと把握できるので、複雑な内容や、情報量が多い科目の復習に特に効果を発揮します。
「勉強はつまらない」と感じている君も、お絵描き感覚で楽しみながら取り組めるはずですよ。
具体例3:メタ認知ノート 〜自分の「わからない」を客観視する〜
「なぜか同じところでいつも間違える…」
「勉強しているはずなのに、いまいち伸び悩んでいる…」
そんな君には、「メタ認知ノート」が特効薬になるかもしれません。
「メタ認知」とは、簡単に言うと「自分自身を客観的に見ること」です。
自分が「何を理解していて、何を理解していないのか」を正確に把握する力のことです。
このメタ認知能力が高い生徒ほど、成績が伸びやすいことが研究でも分かっています。
メタ認知ノートは、この能力を鍛えるためのノート術です。
メタ認知ノートの作り方
これは、間違えた問題を復習するときに特に有効です。
- 問題を解き、答え合わせをする:
まずは普通に問題を解き、丸付けをします。 - ノートに「なぜ間違えたか?」を書き出す:
間違えた問題について、ノートにその原因を自分の言葉で分析して書き出します。 【原因分析の例】- 「公式をど忘れしていた」(知識不足)
- 「プラスとマイナスを書き間違えた」(ケアレスミス)
- 「問題文の意味を取り違えていた」(読解力不足)
- 「時間が足りなくて焦ってしまった」(時間配分ミス)
- 「次からどうするか?」という対策を書く:
原因を分析したら、その横に「じゃあ、次からはどうすればいいか」という具体的な対策を書きます。
> 【対策の例】
> – 「毎朝、公式を5分間見直す」
> – 「見直しの時に、符号だけをチェックする時間を作る」
> – 「問題文の重要な部分に線を引く癖をつける」
このノートの目的は、ただ間違いを正すだけでなく、「自分の思考のクセ」や「弱点」を客観的に把握することです。
これを繰り返すことで、自分の間違いパターンが見えてきて、効果的な対策が立てられるようになります。
まさに、自分だけの専属コーチがノートの中にいるような状態です。
少し大変に感じるかもしれませんが、これほど成績アップに直結するノート術はありません。
まとめ:ノートは君の思考を映す鏡。最強の武器を育てよう!
今回は、「思考停止」を防ぐための最強のノート術についてお話ししました。
【最強のノート術 3つのルール】
- 「書く目的」を意識する
- 「自分の言葉」で書き換える
- 「見返す習慣」を身につける
ノートは、ただ情報を書き写すためのものではありません。
君が何を考え、何に疑問を持ち、どう理解したかという「思考のプロセス」を記録するためのものです。
つまり、ノートは君の頭の中を映し出す「鏡」なのです。
今日紹介したノート術は、明日からすぐに始められるものばかりです。
最初は難しく感じるかもしれませんが、まずは一つでもいいので試してみてください。
ノートの取り方が変われば、授業の受け方が変わります。
授業の受け方が変われば、勉強への意識が変わります。
そして、勉強への意識が変われば、必ず成績は伸びていきます。
君が書く一文字一文字が、未来の自分を助ける最強の武器になります。
さあ、今日から君だけの「最強のノート」を育てていきましょう!
応援しています!